「歯周病とアルツハイマー型認知症の関係」に興味深い研究結果です。
こんにちは!
デンタルサポート歯科衛生士の城 明妙(しろ あけみ)です。
11月8日は「いい歯の日」ということ、すっかり忘れていました。
ということで、今日は「忘れる」がキーワード。
認知症と歯周病の深い関係についてお話しします!
1)歯周病とアルツハイマー型認知症
歯周病菌がアルツハイマー型認知症と深い関係があることが
九州大学の研究で解明されました。
認知症の中でも67%を占めるのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症は、「アミロイドベータ」などの異常なタンパク質が
脳に蓄積することが原因で神経細胞が死んでしまい、
脳が萎縮して、認知機能が低下してしまいます。
そのアミロイドベータと関係が認められたのが歯周病菌の「ジンジバリス菌」です。
ジンジバリス菌は歯ぐきの内側に潜んで仲間を増やし、
血管を通って体内に侵入します。
ジンジバリス菌の出す酵素「ジンジパイン」によって
アミロイドベータが産生されます。
歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、
アミロイドベータを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるタンパク質の数が約2倍に増え、
脳細胞へのアミロイドベータの蓄積量も10倍に増えたそうです。
「歯周病菌は異常なタンパク質が脳に蓄積することを加速させてしまう」
ということが明らかになったわけです。
歯周病はその他にも多くの全身疾患と関係があります。
とても注意が必要ですね。
2)歯周病と全身疾患
歯周病は細菌の感染による病気で、感染症です。
日本人は30歳以上の80%がかかっているといわれ、
そのほとんどが治療しないまま、放置されています。
初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気がつかないためです。
では、どうすれば早期に発見できるのでしょうか?
その答えは「からだの健診と同じように、最低でも1年に1回は歯科医院で検診を受けることが大切」です。
40歳以上の方には自治体から歯周疾患検診のお知らせが届くと思います。
それを利用すれば、安価で歯科検診が受けられます。
歯周病があると、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、糖尿病、早産、誤嚥性肺炎、
そして認知症など、さまざまな疾患を引き起こしたり、発症させることがあります。
やはり「からだの健康はお口の健康から!」
この機会に歯科医院を受診しましょう!
寒くなってきましたね。
体調に気をつけて、冬を迎えましょう。
それではまた!