猫のデンタルケア~おもしろ保健指導ネタ~ 

こんにちは。
歯科衛生士の城 明妙(しろ あけみ)です。

保健事業のご担当者様、人事・労務のご担当者様に、歯科の健康情報を発信する際のお役立ち情報を、お届けいたします。

本日は歯科ネタとして、猫の歯についてお話ししてみたいと思います。

猫の歯の種類や本数

猫の歯は大きさや形もさまざまで、歯と歯の間もきちんと並んでいたり間があいていたりと違いがあります。  

猫の永久歯は30本
猫の歯の本数は、全部で30本です。
切歯3/3(上顎片側/下顎片側)、犬歯1/1、前臼歯3/2、後臼歯1/1乳歯は全部で26本。切歯3/3、犬歯1/1、前臼歯3/2です。

猫の歯の種類
猫の歯も「切歯」「犬歯」「臼歯」に分類されています。
最も目立つ犬歯は、上下合わせて4本あり、大きく尖っています。
猫が野生の状態で獲物を捕らえる際には、犬歯を獲物の首筋に「くさび」の様にしっかり刺し込んで仕留めます。

犬歯は肉を引き裂く際に使われることもあります。

切歯は、小ぶりで間隔をあけることなく並び、上の歯が下の歯に少し被るように咬合します。

切歯の役割は、肉を引っ張ってちぎったり、肉を骨からそいだりする際に使われる他、毛づくろいをするときに、櫛の様な役割をすることもあります。

臼歯は、前臼歯と後臼歯に分かれ、その中でも裂肉歯(れつにくし)と呼ばれる上顎の第3前臼歯と下顎の第1後臼歯は、鋏(はさみ)状に咬合し、肉を切り裂くときに使われます。 その他の臼歯は、ジグザグに噛み合い、噛み合うことはありません。

猫の奥歯はすりつぶせない

人はさまざまな種類の食べ物を前歯で噛み切った後、奥歯ですりつぶして食べるため、人の臼歯は上下の歯の面がぴったり噛み合っています。

猫は犬歯で獲物の首筋を捕らえ、臼歯を鋏の様に使って肉を噛み切り飲み込むため、

人のようにすりつぶす機能を持つ歯は存在しないのです。

猫は歯周病になりやすい

猫は、人と比べると歯周病になりやすいと言われています。
その理由は、口内環境の差にあります。
人の口内が弱酸性なのに対し、猫はアルカリ性。
アルカリ性の環境下では、むし歯菌が発生しにくく、歯周病菌が繁殖しやすい環境なのです。
反対に、酸性の環境下ではむし歯菌が繁殖しやすい環境と言えます。

猫の歯磨き

新しい子猫を家に連れて帰ったらすぐに、毎日歯磨きをする習慣をつけましょう。

もちろん、大人の猫にも、歯磨きの習慣を覚えさせることは可能です。

歯磨きに少しずつ慣れさせて、歯磨きが楽しみになるように工夫しましょう。

歯磨きをしている間は、安心させてたくさん褒めてあげ、歯磨きが終了したら、特別なご褒美をあげましょう。