【今日の歯科ネタ!】歯周病菌は歯ぐきの細胞に潜伏する

こんにちは。
歯科衛生士の城 明妙(しろ あけみ)です。

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歯周病菌は歯ぐきの細胞に潜伏する

歯周病は、歯やからだに悪影響を及ぼしてしまいます。では、お口の中の歯周病菌を完全にゼロにしてしまえば、歯周病にならないのでは?」と思いますよね。

歯周病菌の数を減らすことは大切で、歯周病対策のハミガキには、殺菌剤が配合され、歯周病菌を殺菌する効果があります。ところが、敵もさるもの…実は歯周病菌には、その殺菌剤から逃れる「潜伏先」があるのです。

潜伏先その1『プラークの中』歯と歯ぐきの境目や、歯と歯の間にできるプラーク(歯垢)には、1g中に約1,000億もの細菌が存在していると言われています。 この細菌のかたまりには、厄介なことに殺菌剤が浸透しません。歯周病菌が単独で浮遊している状態だと効果を発揮する殺菌剤ですが、プラークの状態になってしまうと殺菌剤だけでは太刀打ちできないのです。

潜伏先その2『歯ぐきの細胞の中』歯周病菌の一種であるP.g菌は、なんと歯ぐきの細胞に潜り込むように侵入してしまうことが明らかになっています。歯ぐきの中に歯周病菌が侵入してしまうと、免疫系や、殺菌剤などから逃れられます。歯周病菌のこの特殊な能力によって、ハミガキに配合されている殺菌剤からも逃れていると推測できます。では、どうすれば効果的なセルフケアが出来るのでしょう??次回は、その潜伏する細菌に打ち勝つセルフケア対策についてお話しします。